[Flutter/dart] compute関数でクラスインスタンスを引数にするメソッドを呼び出す方法
概要
Flutterでアプリ作成中に、重い処理が入るとアプリの動作が重くなってしまいます。そういう場合は別のスレッド(isolate)で処理を実行すれば動作を軽くすることができます。このように別のisolateで処理を簡単に実行してくれるのがcompute関数です。
(詳しくはこちら)
var result=await compute(func, arg);
//funcが重い処理、argがfuncの引数
しかし、funcの引数はarg1つしか指定できないうえ、argにはint、Stringなど特定の型の変数しか入れられません。
しかし、僕のアプリではクラスインスタンスを引数にした重い処理がありました。そこで、そのような場合の対応法についてご紹介します。
方法
そもそも、「処理をインスタンスメソッドにしてfuncに代入すればいいのでは?」と思われたかもしれませんが(僕も最初そう思いましたが)、別isolateではstaticなメソッドしか実行できません。インスタンスメソッドを実行しようとすると
Illegal argument in isolate message : (object is a closure - Function '<***>':.)
のエラーが出ます。
で、本題に戻りますと、以下の方法でクラスインスタンスを引数として渡せます。
インスタンスメンバをjson形式に変換する
jsonオブジェクトをcompute関数の引数(arg)に入れる
処理(func)内でjsonからインスタンスを作成する
以下詳しく見ていきます。
1. まずは対象クラスに、メンバ変数をjsonに変換するメソッドを用意しましょう。あとで用いる、jsonからインスタンスを作成するコンストラクタも一緒に定義します。
class Sample{
String _content;
int _number;
//jsonに変換
Map toJson()=>{
'content': _content,
'number': _number,
}
//jsonからインスタンスを作成
Sample.fromJson(Map json){
_content=json['content'];
_number=json['number'];
}
2. jsonオブジェクトをcompute関数の引数として渡しましょう
Sample _sample;
//_sampleインスタンスを生成する処理など
Map json=_sample.toJson();
var result=await compute(heavy_method, json);
//重い処理
static Future<bool> heavy_method(Map json) async{
//何か重い処理
}
3. heavy_methodの先頭でjsonからSapmleクラスのインスタンスを作成しましょう。
//重い処理
static Future<bool> heavy_method(Map json) async{
Sample _sample=Sample.fromJson(json);
//何か重い処理
}
最後に
この方法だと、jsonに変換し、再度インスタンスを生成する時間がかかります。また、compute関数で別isolateにスイッチする時間もあるそうです。そこを考慮に入れたうえで本手法を検討してみてください。(ご参考)
僕の場合は処理の重さのほうが圧倒的に支配的だったので、この手法を利用しました。
(そもそもそんな処理作るなと言われてしまえばそれまでなんですが、、、)
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