[Flutter]FirestoreとReduxを連携して状態を管理する
概要
ユーザのデータを扱うスマホアプリにおいて、アプリ使用中の状態管理とデータ保存用の外部ストレージとをどう連携するかについて書いてみようと思います。
具体的には、アプリ内での状態管理はredux、データの保存はcloud firestoreを用います(あくまで1例であり、他にも選択肢はあります)。
方法
全体像
firestoreには各ユーザごとにデータが保存されている。
ユーザAがスマホアプリを起動したらgoogleアカウントを用いてサインイン
googleアカウントの認証に成功したらfirestoreからユーザAのデータを取得し、reduxのstroeに格納
データを変更したらreduxのmiddlewareでfirestore上のデータも変更

firestoreの構成
firestoreには「users」コレクションを作成し、各ユーザのデータをドキュメントとして格納します。ドキュメントidはgoogleアカウントとします。
ログインと認証
アプリ起動時にログインページでユーザにgoogleアカウントの入力を求めます。firebase authを使って認証処理を行い、認証に成功した場合はfirestoreからそのgmailアドレスのユーザのデータを取得します。
firebase authのUserインスタンスからそのユーザのデータをfirestoreから取得する処理は例えば次のようになります。
Future<AppState> get_data(User user)async{
FirebaseFirestore db;
DocumentReference docRef;
CollectionReference colRef;
//firestoreインスタンスを初期化
db=FirebaseFirestore.instance;
//gmailアドレスでユーザのデータへの参照を取得
colRef=await db.collection('users');
docRef=await colRef.doc(user.email);
var snapshot=await docRef.get();
if (!snapshot.exists){
//ユーザのデータが存在しない場合は新規に追加
await colRef.doc(user.email).set({'name': user.displayName});
docRef=await colRef.doc(user.email);
}
//参照からデータを取得し、mapに格納
var col_items
=await docRef.collection('items').get();
Map<int, String>items={};
for(var snapshot in col_items.docs){
int id=int.parse(snapshot.id);
items[id]=snapshot.data()['item'];
}
return AppState(items: items);
}
例としてint型のidとString型のデータ(item)のmapの場合を想定してみました。
class AppState{
Map<int, String> items;
AppState({this.items});
AppState.initState(){
items={};
}
}
storeに格納
上記で取得したデータを用いてstoreを初期化します。
空データで初期化してからmiddlewareでデータを取得してくるというやり方もあります(というかその方がいいのかも)。
AppState state;
try {
state = await fireStore.initDataSets(user);
}
catch(Exception){
state=AppState.initState();
}
Store<AppState> store=Store<AppState>(
appStateReducer,
initialState: state,
middleware: [AppStateMiddleWare]
);
データの変更をfirestoreに反映
firestoreのユーザのドキュメントへの参照をactionへ渡し、midllewareでその参照を用いてfirestoreに書き込みます。上記のget_dataではローカル変数に参照を格納していますが、クラスメンバにしておくと便利かもしれないですね。
middleware
void AppStateMiddleWare(Store<AppState> store, dynamic action,
NextDispatcher next) async {
next(action);
if (action is AddItemAction){
var docRef=action.docRef;
int id=action.id;
await docRef.collection('items')
.doc(id.toString()).set({'item': action.item});
}
}
action
class AddItemAction{
final String item;
final int id;
final DocumentReference docRef;
AddItemAction({this.item, this.id, this.docRef});
}
最後に
こういう使い方はかなり多いと思うんですが、方法論みたいなのは全然見かけないので書いてみました。あくまで個人開発でしか使っていないので参考程度にお願いします。
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前提 以下のようなケースを考えます。 アイテムの一覧がある ある1つのアイテムの詳細を表示するページがある 詳細ページではそのアイテムの削除ができる 削除したら他のページ(一覧ページなど)に戻る これはアプリではよくあるパターンだと思います。 課題 reduxパターンを用いている、より具体的にはProviderで状態を管理している場合、以下のような構成になっているのではないでしょうか? アプリ全体
やりたいこと Reduxで状態管理をする。状態はAppStateとする。 アプリ開始時にリモートのデータベースからデータの取得を開始 データを取得 取得中は待機マークを表示 取得したデータからAppStateを作成 作成したAppStateを元にUIを描画 方法 3、4、5を実現するためには、「取得完了」のフラグをAppStateに追加しましょう(※1)。 ビューはこのフラグを見て表示を切り替えま